タイトルホルダー
長距離王道の代表産駒。
皐月賞の直線で、ドゥラメンテはまっすぐだけでは走らなかった。外へ膨れ、あぶなさを見せ、それでも前を飲み込んだ。才能が、まだ形になりきらないまま爆発していた。
2015年の皐月賞で、ドゥラメンテは直線に入って外へ膨れた。きれいな勝ち方ではない。見ている側の息が一瞬止まるような動きだった。それでも、そこから伸びる。危うさと強さが同じ画面にあった。
母アドマイヤグルーヴ。祖母エアグルーヴ。日本競馬の名牝系を背負った馬が、日本ダービーを勝つ。父キングカメハメハの力強さに、サンデーサイレンスとエアグルーヴの牝系が重なる。良血という言葉が、競馬場で実体を持った。
デムーロ騎手は皐月賞後、右回りや大きな歓声で馬が過敏に反応した趣旨を語っている。強さと難しさが同居した馬として読む。
故障があり、現役生活は長くなかった。種牡馬としても2021年に亡くなる。競馬ファンの記憶には、現役時代と同じ言葉が残る。もっと見たかった。けれど短さは、薄さではなかった。残された世代が、想像以上に濃く走った。
タイトルホルダー、スターズオンアース、リバティアイランド、ドゥレッツァ。簡単に整う馬ばかりではないが、噛み合ったときのスケールが大きい。父の皐月賞にあった危うさと爆発力が、産駒にも別々の形で残っている。
長距離王道の代表産駒。
桜花賞とオークスを勝った牝馬。
牝馬三冠馬。
菊花賞馬。
集計年:2025年JRA成績
2025年成績では、ドゥラメンテ産駒は891走76勝、3着内218回。芝を中心にしながら、ダートにも勝ち鞍がある。
| 区分 | 出走 | 勝利 | 勝率 | 勝ち鞍の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 芝 | 589走 | 51勝 | 8.7% | 67.1% |
| ダート | 302走 | 25勝 | 8.3% | 32.9% |
| 距離帯 | 勝利 | 割合 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 短距離 | 8勝 | 10.5% | スピードの出方を見る入口。 |
| マイル前後 | 37勝 | 48.7% | もっとも厚く出やすいゾーン。 |
| 中距離 | 18勝 | 23.7% | クラシックや古馬中距離へつながる。 |
| 長距離 | 13勝 | 17.1% | 母系や馬体次第で広がる余地。 |
この種牡馬らしさは、荒い才能と名牝系の底力が、産駒ではクラシックと長い距離の大舞台で濃く出ている。
ドゥラメンテの時間は短かった。だが短さは、残らないこととは違う。皐月賞で外へ流れながら伸びた馬は、タイトルホルダーの長い脚に、リバティアイランドの三冠に、ドゥレッツァの菊花賞に姿を変えた。