モーリス、遅れて完成した怪物が父として残す幅

モーリスは、最初から怪物として扱われた馬ではない。時間がかかった。背腰を立て直し、走りが噛み合ったとき、マイルから2000メートルまで一気に世界が開いた。

安田記念のモーリス
Maurice_Yasuda_kinen_2015(IMG1).jpg / Nadaraikon / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons
18戦11勝
GI 6勝
香港GI 3勝
天皇賞秋

怪物になるまで、時間がかかった

モーリスは、最初から完成された馬ではなかった。JRA-VANの名馬メモリアルは、美浦の堀宣行厩舎へ移ってから、弱さのあった背腰のケアを優先して立て直されたことを紹介している。怪物は急に現れたのではない。

モーリスの記録

マイル王が、2000メートルを飲み込んだ

安田記念、マイルチャンピオンシップ、香港マイル。モーリスはマイルの王者として記憶される。だが、2016年の天皇賞秋と香港カップで2000メートルも勝った。マイルのスピードが、距離を伸ばしても薄まらなかった。

天皇賞秋のモーリス
Maurice_Tenno_Sho(Autumn)2016(IMG2).jpg / Nadaraikon / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons

関係者の言葉

JRA-VANは、堀厩舎への移籍後に背腰のケアを最優先して立て直されたと紹介している。モーリスの成長曲線を読むための土台にする。

メジロの血と、スクリーンヒーロー

父スクリーンヒーローはジャパンカップ馬。母メジロフランシスには、メジロの血が流れている。すぐに完成しない。けれど、体ができて力が乗ると、距離も舞台も広がる。その特徴は、産駒にもときどき顔を出す。

産駒にも、遅れて開く余地がある

ピクシーナイトはスプリントGIを勝った。ジャックドールは大阪杯を逃げ切った。ジェラルディーナはエリザベス女王杯を勝った。短距離、マイル、2000メートル、牝馬の中距離。モーリス産駒は、一言でまとめにくい。

モーリス産駒ジャックドール
Jack_d'Or_Osaka_Hai_2023.jpg / Nadaraikon / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons

代表産駒に見えるモーリスらしさ

ピクシーナイト

スプリンターズSを勝った快速馬。

ジャックドール

大阪杯を勝った逃げ馬。

ジェラルディーナ

エリザベス女王杯を勝った牝馬。

ノースブリッジ

中距離重賞で存在感を見せる。

産駒成績

集計年:2025年JRA成績

2025年成績では、モーリス産駒は1029走72勝、3着内239回。芝の出走と勝利が中心で、芝での輪郭が濃い。

1029走出走
72勝勝利
7.0%勝率
23.2%3着内率
芝 734走(71.3%)ダート 295走(28.7%)
短距離28勝
マイル前後35勝
中距離8勝
長距離1勝

馬場別に見る

区分出走勝利勝率勝ち鞍の割合
734走59勝8.0%81.9%
ダート295走13勝4.4%18.1%

勝ち鞍の距離分布

距離帯勝利割合読み方
短距離28勝38.9%スピードの出方を見る入口。
マイル前後35勝48.6%もっとも厚く出やすいゾーン。
中距離8勝11.1%クラシックや古馬中距離へつながる。
長距離1勝1.4%母系や馬体次第で広がる余地。

タイプで見る代表産駒

ピクシーナイト
スプリンターズSを勝った快速馬。
ジャックドール
大阪杯を勝った逃げ馬。
ジェラルディーナ
エリザベス女王杯を勝った牝馬。
ノースブリッジ
中距離重賞で存在感を見せる。

この種牡馬らしさは、早熟一辺倒ではなく、体ができてから力を増す余地を産駒にも残す。

受け継がれたもの

モーリスは、遅れて完成した馬だった。その遅さは弱さではなく、余地だった。ピクシーナイトが短距離で走り、ジャックドールが2000メートルを逃げ、ジェラルディーナが古馬になって花を開く。

参考資料・画像クレジット

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