ピクシーナイト
スプリンターズSを勝った快速馬。
モーリスは、最初から怪物として扱われた馬ではない。時間がかかった。背腰を立て直し、走りが噛み合ったとき、マイルから2000メートルまで一気に世界が開いた。
モーリスは、最初から完成された馬ではなかった。JRA-VANの名馬メモリアルは、美浦の堀宣行厩舎へ移ってから、弱さのあった背腰のケアを優先して立て直されたことを紹介している。怪物は急に現れたのではない。
安田記念、マイルチャンピオンシップ、香港マイル。モーリスはマイルの王者として記憶される。だが、2016年の天皇賞秋と香港カップで2000メートルも勝った。マイルのスピードが、距離を伸ばしても薄まらなかった。
JRA-VANは、堀厩舎への移籍後に背腰のケアを最優先して立て直されたと紹介している。モーリスの成長曲線を読むための土台にする。
父スクリーンヒーローはジャパンカップ馬。母メジロフランシスには、メジロの血が流れている。すぐに完成しない。けれど、体ができて力が乗ると、距離も舞台も広がる。その特徴は、産駒にもときどき顔を出す。
ピクシーナイトはスプリントGIを勝った。ジャックドールは大阪杯を逃げ切った。ジェラルディーナはエリザベス女王杯を勝った。短距離、マイル、2000メートル、牝馬の中距離。モーリス産駒は、一言でまとめにくい。
スプリンターズSを勝った快速馬。
大阪杯を勝った逃げ馬。
エリザベス女王杯を勝った牝馬。
中距離重賞で存在感を見せる。
集計年:2025年JRA成績
2025年成績では、モーリス産駒は1029走72勝、3着内239回。芝の出走と勝利が中心で、芝での輪郭が濃い。
| 区分 | 出走 | 勝利 | 勝率 | 勝ち鞍の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 芝 | 734走 | 59勝 | 8.0% | 81.9% |
| ダート | 295走 | 13勝 | 4.4% | 18.1% |
| 距離帯 | 勝利 | 割合 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 短距離 | 28勝 | 38.9% | スピードの出方を見る入口。 |
| マイル前後 | 35勝 | 48.6% | もっとも厚く出やすいゾーン。 |
| 中距離 | 8勝 | 11.1% | クラシックや古馬中距離へつながる。 |
| 長距離 | 1勝 | 1.4% | 母系や馬体次第で広がる余地。 |
この種牡馬らしさは、早熟一辺倒ではなく、体ができてから力を増す余地を産駒にも残す。
モーリスは、遅れて完成した馬だった。その遅さは弱さではなく、余地だった。ピクシーナイトが短距離で走り、ジャックドールが2000メートルを逃げ、ジェラルディーナが古馬になって花を開く。