硬い名前の馬が、しなやかに勝ち続けた
ブリックスアンドモルタル。名前は硬い。けれど走りは、ただ力任せではなかった。2019年、アメリカの芝で勝ち続け、最後はサンタアニタのブリーダーズカップターフまで取り切った。
故障で長く休んだあと、戻ってから負けない。これは簡単な物語ではない。体を作り直し、距離を延ばし、相手が強くなっても最後に前へ出る。米年度代表馬という肩書きは、その一年の重さをよく表している。
Giant's Causewayの血を日本へ
父Giant's Causewayは、欧米で強い影響を残した種牡馬だ。Storm Catの速さを持ちながら、芝でもダートでも底力を伝えた。ブリックスアンドモルタルは、その血を日本へ持ち込んだ。
日本の繁殖牝馬にはサンデーサイレンスの血が深く入っている。だからこそ、こういう異系の芝王者には意味がある。血を薄めるためではなく、新しい噛み合わせを作るためにいる。
ブリックスアンドモルタルの記録
- 父: Giant's Causeway / 母: Beyond the Waves / 母父: Ocean Crest
- 主な勝ち鞍: BCターフ、アーリントンミリオン、マンハッタンS、ターフクラシックS
- 日本で供用され、芝の中距離向き異系血統として注目される
サンタアニタで完成した一年
2019年のブリーダーズカップターフは、ブリックスアンドモルタルにとって一年の締めくくりだった。ペガサスワールドカップターフから始まり、G1を重ね、最後に世界の芝中距離馬が集まる舞台で勝ち切る。
あの一年の価値は、負けなかったことだけではない。復帰後に距離を延ばし、相手を上げ、それでも最後に届いたことだ。日本で種牡馬になった今も、彼の価値の根はあのアメリカ芝の大舞台にある。
この馬を読むなら
ブリックスアンドモルタルの記事では、輸入種牡馬という言葉だけで片づけない。米芝王者が日本に来た、では足りない。どんな一年を勝ち切った馬なのか、どんな血を持ち込んだのかが大事だ。
2025年のJRA種牡馬ランキングでは15位。日本での答えはまだ途中にある。だからこそ、サンデー系の厚い土壌に、アメリカ芝王者の血がどう根を張るかを見ていきたい。
2025年の種牡馬成績
集計年: 2025年JRA種牡馬リーディング
ブリックスアンドモルタルは2025年JRA種牡馬リーディングで15位。総賞金は108,872万円。 順位そのものより、どの舞台で産駒が名前を呼ばれているかを見ると、この父の輪郭が見えてくる。
参考資料・画像クレジット
- https://en.wikipedia.org/wiki/Bricks_and_Mortar
- https://www.jrha.or.jp/stallion_e/horse/?name=Bricks_and_Mortar
- https://umanity.jp/racedata/db/ranking.php?page=1&type=9&year=2025
- 画像: Santa_Anita_Park_(USA).jpg / Lisa Andres / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons